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盛安本源氏物語 夕顔断簡 フランス個人蔵日本では、江戸期に本格化した印刷出版が、古典の伝統を継承する重要な役割を果たした。平安盛期に紫式部が書き残した『源氏物語』はその一例だ。原本が失われたのちも学者によって校訂校閲が繰り返され、中世のあいだ、数系統の手書き写本が書き残された。そして、絵巻や能などへと展開を見せつつ、江戸期の出版文化により、カルティエ時計コピー武家から町人まで幅広い人びとが『源氏物語』を楽しむようになったのだ。
赤本『したきれ雀』実践女子大学図書館蔵企画展「和書ルネサンス 江戸・明治初期の本にみる伝統と革新」では、古代ギリシア・ローマの古典をいきいきと蘇らせたヨーロッパのルネサンスに喩えて、江戸期から明治初期にかけての印刷文化を「和書ルネサンス」として紹介。3つの部から、古典文学と印刷出版の関係性を探る。江戸初期に出版された古典作品
重要文化財 盛安本源氏物語絵巻 末摘花上巻 大本山石山寺蔵第1部では、江戸初期に出版された『源氏物語』や『徒然草』などの古典作品を紹介。印刷本が浸透しつつあったこの時期、絵巻のような手写本がなおも作られていたのだ。
『江戸名所図会』木版術が進歩するにつれて、江戸文学は浮世草子、浄瑠璃本、句集、洒落本、滑稽本、読本、黄表紙など、多彩に展開した。第2部では、江戸の庶民のバラエティに富んだ文学に焦点を合わせ、文学をめぐるさまざまな印刷物を展示する。現代へと続く「読書」の形成
『魯敏孫漂流紀略』近代化が推し進められた明治期には、海外文化の流入や言文一致の文体誕生などを背景に、物語の中身も影響を受けて変化した。第3部では、『魯敏孫漂流紀略』といった翻訳本、辞書や教科書、『ホトトギス』など新しい小説の発表の場となった雑誌を通じて、現代につながる読書の基盤が形成される過程を追う。展覧会概要企画展「和書ルネサンス 江戸・明治初期の本にみる伝統と革新」